エスニック・アメリカを問う

執筆者はみな、津田塾大学で飯野正子(津田塾大学前学長)の セミナーで研鑽を積んだ。 アメリカ研究や移民研究の分野では、トランスナショナル、 ボーダーランドが研究の主要キーワードとなって久しいが、 飯野氏は早くから理論だけに依存しない歴史家としての徹底した 史料の検証によるいわば「下から」のトランスナショナルな様相の 炙り出しを行なってきた。 また飯野氏は、『エスニック・アメリカ』(有斐閣、1984年)等を通じて、 アメリカがエスニシティ・人種の多様な社会であり、 そのために生じたさまざまな状況や問題を日本に紹介することに 大きく貢献してきた研究者の一人。 本書は、アメリカ史における日系人を中心とした さまざまな移民の事例研究を基本としながら、各メンバーが 従来の研究では見落とされてきた内容を考察し、 その研究成果の一部を論じている。 テーマは多岐にわたっているが、地道かつ丹念な資料収集および 資料の解読と分析を経て執筆にあたっていることは、 各研究の共通点の一つして挙げられる。 丁寧な実証研究の成果は、流行の論争にも揺るがず、 長く読み続けられ、そこに人や社会のありようについての普遍性が読みとれる。
- 著者
- 「人の移動とアメリカ」研究プロジェクト
- 出版社
- 彩流社
- 発売日
- 2015-11-16
- 価格
- 4,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784779121593
- ページ数
- 349ページ
発売済み
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