0円生活を楽しむ シェアする社会

広がるシェアビジネス  「シェア」という言葉の本来の意味は「共用、分配」だ。だから「シェア経済」によって、人びとがモノや技能を「分かち合う社会」が到来すると期待された。ところが現実に広がったのは、インターネットを使ってモノやサービスの仲介するニュービジネスだった。特に有名なのが、民泊を仲介する「エアビーアンドビー(Airbnb)」と、一般人が自家用車を使って他人を運ぶ「ウーバー(Uber)」だ。  両社がアメリカのサンフランシスコで設立されたのはわずか10年前。スマートフォンで近くの車を呼んだり、民泊の予約が簡単にできることから、またたく間に世界中に広がった。利用者にとっては「便利で安い」というメリットがある上、「共同で利用する」と聞くとエコな感じもする。ウーバーは世界70カ国で展開し、売上高75億ドル。エアビーアンドビーは192カ国、売上高26億ドルにのぼる。 タクシー運転手の嘆き  でも、こうしたビジネスが「分かち合いの社会」をつくる可能性はあるのだろうか。  筆者が、昨年秋にニューヨークの協同組合を視察に行った時のこと。空港で乗ったタクシー運転手に、ウーバーの影響について尋ねてみたら、「いまじゃ街中では7割の人がウーバーを利用するようになったよ。結局、タクシー利用者が激減したので、俺も登録して利用者を探しているんだ。でもウーバーから受け取る報酬は安くてね」とため息をもらす。結局、運転手と利用者が自動車をシェア(共用)しても、その利益はシェア(分配)されずウーバーだけがもうかる仕組みなのである。 分かち合うシェア社会を目指して  本号が紹介するのは、「分かち合う」ことを基本原理とする、様々な日本の活動である。「お金に縛られない生き方」を考えている方々に、ぜひお読みいただきたい。

著者
三浦展、鶴見済、宮崎徹、勝俣誠、白井和宏、斎藤真理子、室田元美、市民セクター政策機構、ほんの木
出版社
ほんの木
発売日
2019-01-14
価格
1,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784775201152
ページ数
180ページ

発売済み

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