子ども主体の造形表現への変革 : 宮武辰夫の〈生きもの〉思想を土台とした方法論〈全身のスクリブル〉と実践
序 章 本研究の背景と目的 第1節 問題の所在 1 1950 年前後の保育の状況 2 1950 年代の幼児美術教育の実態 3 幼児美術教育に「革命」を起こした宮武辰夫 第2節 先行研究 1 二つの先行研究 2 宮武がもたらした六つの新しい視点 第3節 本研究の目的と構成 第1章 宮武の青年期以降の美術教育思想 第1節 東京美術学校時代の〈生きもの〉思想の萌芽 1 明治期末から大正期にかけて 2 自由画教育へ 第2節 戦前と戦後を貫く思想 1 原始芸術探検から幼児美術教育実践へ (1)原始芸術と幼児美術との共通点 (2)平和で民主的な社会実現への願い 2『 アラスカに原始藝術を探る』から『アラスカ探検 少年探検小説』へ (1)アラスカ先住民族のトーテムポール (2)アラスカ名物「海狸のお城」 第3節 幼児美術教育実践と〈白い生きものシャートレー〉 1 〈白い生きもの〉 2 幼い野性の求める遊び場 3 媒体としての《シャートレー》 第1章の結論 第2章 宮武の幼児美術教育方法論の背景にある美術教育論 第1節 フィンガー・ペインティングとの出会い 1 芸術基礎教育と精神衛生 2 フィンガー・ペインティングが思想の中心 第2節 創案者ルース・F・ショウとフィンガー・ペインティング 1 子ども自身の体験から学ぶショウ・スクール 2 子ども自身の体験の表現 (1)「私が教えることを私に教えてくれた子どもたちへ」 (2)「指は筆より前からあった」 (3)教師の役割 3 創造的表現手段としてのフィンガー・ペインティング (1)創造的表現手段 (2)表現の特徴 4 精神衛生とフィンガー・ペインティング (1)情緒的な障害の表現と消失 (2)子どもの教師への信頼感 (3)臨床心理学とフィンガー・ペインティング 第3節 スクリブル論 1 グレツィンゲルの身体感覚記憶としてのスクリブル論 (1)「子どもに一層役立つものを」 (2)水棲動物の地上体験 (3)スクリブルと言語世界 (4) 両手描きと心身の解放 2 フローレンス・ケインのスクリブル運動論 (1)子ども中心主義と深層心理学 (2)身体と創造的過程 (3)無意識の軌跡 (4)無意識のスクリブルと自己への信頼感 (5)スクリブル運動から生まれる〈生きもの〉感 第2章の結論 第3章 宮武の幼児美術教育方法論の開発と展開 第1節 ニイディング〈こねくり〉の重視 1 「伝統派と正反対のフインガー・ペインテング」 2 「背中の真中で描く」 3 〈こねくり〉と足さばきで造る粘土工作 4 「全身をぶっつけた工作の肉体化」 第2節 スクリブル〈ぬたくり〉論の着手と展開 1 スクリブルと精神衛生 (1)筋肉運動と精神生活の始まり (2)アーティスティック・プロセスの始まり (3)「命名期」における想像力と無意識領域 (4)生活のなかのスクリブル (5)〈生きもの〉と型の模倣 (6)スクリブルに適した素材と描画環境 2 感覚をひらく〈全身のスクリブル〉 (1)眼で描くスクリブル (2)感覚をひらく〈全身のスクリブル〉 3 生活の必然性から生まれる〈全身のスクリブル〉 (1)遊びと一体になった〈全身のスクリブル〉事例 (2)図鑑の模写を救ったスクリブル事例 (3)蟻の巣の〈全身のスクリブル〉事例 第3節 子ども主体の造形表現への変革と〈全身のスクリブル〉 1 〈全身のスクリブル〉によって紙の外に出た造形表現 2 子ども主体の造形表現への変革と精神分析 第3章の結論 第4章 宮武の幼児美術教育方法論の成果 ─ 1959 年刊行『児童画評価シリーズ1』に着目して─ 第1節 『児童画評価シリーズ』の背景 1 1950 年代後半の児童画をめぐる「混乱」 2 感覚・感情主義派と認識主義派 (1)価値体系の混乱という時代背景 (2)子どもの「美」的認識は生得的か後天的か (3)子どもの絵と無意識の深層心理 第2節 宮武の幼児美術教育方法論の成果 1 認識主義派の選出画と感覚・感情主義派の評価 2 宮武指導の児童画に対する評価の実際 3 『児童画評価シリーズ1』から見えてくるもの (1)宮武の幼児美術教育方法論の特質 (2)感覚・感情主義派の宮武と認識主義派の交差 第4章の結論 終 章 本研究の結論と意義 第1節 本研究の結論 第2節 本研究の意義 第3節 今後の課題 補 論 三歳未満児の絵を通した保育カンファレンス ─宮武辰夫の実践についての新たな視点─ 1 はじめに 2 「絵を見る会」の記録から 3 日々の保育実践と「絵を見る会」と「夢を織る会」 【勝亦陽子】 4 子どもの絵の中に融合する社会 【浜口順子】 5 おわりに 注 宮武辰夫の年譜と関連年表 あとがき 文献一覧 人名索引 事項索引
- 著者
- 大須賀隆子
- 出版社
- 溪水社
- 発売日
- 2023-08-31
- 価格
- 5,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784863276321
- ページ数
- 348ページ
発売済み
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