せめぎ合う親密と公共

序 章 中間圏:親密性と公共性のせめぎ合うアリーナ [秋津元輝]  1 つながりと現代  2 親密圏と公共圏の継ぎ目    2─1.親密圏と公共圏の定義    2─2.対抗的公共圏    2─3.ソシアビリテ(sociabilité)  3 コミュニティから「中間圏」へ    3─1.コミュニティとの訣別    3─2.アリーナとしての「中間圏」    3─3.中間圏が占める場所  4 中間圏を構成する2つの問題系    4─1.中間圏への期待のまなざし ─ライン1─    4─2.生成空間としての中間圏 ─ライン2─  5 本書の課題と構成 第I部 岐路に立たされるコミュニティ 第1章 岐路に立たされるコミュニティ ―宮古島の祭祀組織の生成と再編成を事例に [平井芽阿里]  1 祭祀組織から考える  2 調査地の概要    2─1.宮古島西原    2─2.祭祀組織    2─3.村落祭祀    2─4.神役の役割  3 変容    3─1.意図的に開く    3─2.加入者数    3─3.途中加入者    3─4.「あなたの知らない世界」  4 公開    4─1.写真集の発売    4─2.外部に開かれる    4─3.CDの販売    4─4.雑誌への公開  5 生成と再編成    5─1.開かれながら閉じる    5─2.開くことで閉じる    5─3.祭祀組織を考える 第2章 「コミュニティ」のはらむ問題性 ―マヤ系先住民女性の家事労働の視点から考える [中田英樹]  1 グァテマラに暮らすマヤ系先住民  2 先住民文化の否定から多文化主義下での観光資源化へ  3 本章の理論的枠組みと分析対象の設定  4 先住民女性の労働構成変化─ライフ・ヒストリーの聞き取りから    4─1.Aさん:地元定住拡大家族を基盤に村のインテリへ    4─2.‌BさんとCさんの姉妹の事例:山奥から移住後は兄姉で支え合って安定した現在    4─3.‌DさんとEさんの事例:家族分断で移住した脆弱な互助の土壌  5 再生産労働からみた生産労働市場 第3章 地域社会のグレーゾーン ―ホームレスから地元志向現象を考える [川端浩平]  1 はじめに―コミュニティと中間圏の間  2 「ホーム」を守る    2─1.岡山ガーディアンズの結成    2─2.ストリートネームとモチベーション    2─3.高圧的ではない防犯パトロール    2─4.「見て見ぬふりをしない」    2─5.軽犯罪者予備軍の管理とジレンマ    2─6.小括  3 「ホーム」におけるつながり    3─1.深夜のゲームセンター    3─2.ホームタウンのホームレス,河島君との出会い    3─3.河島君の生業    3─4.河島君の楽しみと貧困ビジネス    3─5.ホームレスを排除するデザイン    3─6.小括  4 まとめに―2つの意図せざる結果 第II部 中間圏という視座 第4章 インターネットとまたがる「コミュニティ」 ―西表島リゾート開発と「ネット原告団」編成を事例に [越智正樹]  1 本章の目的    1─1.普遍,特殊,当事者性    1─2.表象可能性の濃淡と当事者性の問題  2 事例─リゾート開発と「ネット原告団」    2─1.事例の概要    2─2.「地元の実態」─場所の履歴と集団編成    2─3.本訴原告団の編成    2─4.小括  3 「ネット原告団」という中間圏の場    3─1.「ネット原告団」の諸特性    3─2.「ネット原告団」と親密圏・公共圏  4 むすび―当事者性が立ち現れる場 第5章 新しい多世代コミュニティ ―政策対象としての可能性と課題 [柴田 悠]  1 なぜ多世代コミュニティに着目するのか    1─1.社会関係の定形化条件    1─2.背景としての社会保障財政    1─3.多世代コミュニティへの期待  2 多世代コミュニティ―事例比較から見る成立条件    2─1.地縁型    2─2.共住型    2─3.デイケア型    2─4.保育型    2─5.居場所型    2─6.多世代コミュニティの成立条件    2─7.政策対象となったコミュニティが孕む限界  3 多世代コミュニティの可能性と課題 第6章 離散をつなぎなおす ―なぜサハリン残留日本人は帰国できたのか [中山大将]  1 〈場〉から観る「残留日本人」の戦後  2 樺太日本人社会の形成と解体    2─1.樺太日本人社会の形成    2─2.樺太日本人社会の解体  3 冷戦期ソ連サハリン社会の中での残留日本人    3─1.サハリン残留日本人の概要    3─2.冷戦期の残留日本人の孤立化    3─3.州都グループという〈場〉    3─4.州都グループとサハリン残留日本人  4 ポスト冷戦期サハリン残留日本人帰国運動    4─1.州都グループからサハリン北海道人会へ    4─2.永住帰国と家族・国家    4─3.サハリン北海道人会という〈場〉  5 〈場〉の脆さと外部要因の重要性 第7章 インターネットカフェという場所 ―マニラ首都圏の事例からみるつながりの課題 [平田知久]  1  はじめに―方法としてのインターネットカフェ  2  人材の送り出し国としてのフィリピンとIC    2─1.平日の深夜にICで    2─2.不安定なフィリピンの雇用環境  3  ICに見る英語の功罪    3─1.Microsoft Office 2010が使えます!    3─2.英語とゲーム  4  ICが地域に根付くということ    4─1.ICオーナーたちの実践    4─2.OFWとIC  5 おわりに―人々のつながりを維持するための条件とその課題 第III部 中間圏概念の地平 第8章 雑談が人を結ぶ ―つながりに関する歴史社会学的考察 [渡邊拓也]  1 中間圏の位相  2 共食・浴場・カフェ  3 対面的/非対面的コミュニケーション  4 ‌共的(コミュナル)なつながりから社交的(ソーシャル)なつながりへ  5 「コミュニケーション能力」の時代 第9章 モノと人との出会い―農業機械をめぐるユーザーとメーカーの交渉  [芦田裕介]  1  モノと人の「出会い」  2  「カスタマイズ型」技術開発    2─1.ユーザーと農業機械との関わり方    2─2.プロ農家における農業機械との関わり方    2─3.小括  3  「汎用型」技術開発    3─1.農業機械産業の歴史    3─2.藤井鉄工所からセイレイ工業へ    3─3.クボタの開発    3─4.現場の意見を汲み上げる    3─5.小括  4  モノと人の関係の再編に向けて 第10章 演奏空間という〈場〉 ―立ち上がるリミナリティとチベット難民社会の日常性 [山本達也]  1  音,身体,中間圏  2  概説    2─1.チベット難民とは,その生活環境    2─2.難民社会の文化ナショナリズム政策とアカマバンドの概略  3  ムンドゴッド公演を取りまく状況    3─1.伝統公演初日の事例    3─2.アカマの公演2日目の事例  4  難民社会内の「都市・農村問題」  5  ムンドゴッドでの演奏空間から見えてくるもの  6  演者たちが引きずる情動  7  暴力と中間圏 終章 〈絆〉の理論から〈場〉の理論へ [渡邊拓也] あとがき 索引(人名・事項) 執筆者紹介

著者
秋津 元輝、渡邊 拓也
出版社
京都大学学術出版会
発売日
2017-01-13
価格
4,200円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784814000586

発売済み

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