母の庭
右往左往のこの時に「言の葉のそよぎ」を集め見えてくる木はあるだろうか。しかし誰もが不安と迷いの中、生きることこそが仕事だと、なんとか日々を過ごしてきたのだからと前を向き、自粛の間も変わることなく青々としたその姿に、唯一息をつくことのできた場所『母の庭』をタイトルに決めた。 (あとがきより) ■作品紹介 五月闇心ふさぐ日湯をわかし玉ネギスープの渦を見てゐる(市原) 少女らの歌ふ聖歌のあやふさに雪の香りの水仙うつむく 靴紐をきゆつと結んで外に出る今日おきることこぼさぬやうに 地に還るはしきものたち朝に充つ空蝉かなぶん白さるすべり 墓浄め君が好物鮨見れば巻き戻される病室の日々 やはらかくどこかつながる人々はト音記号の丸みの中に シルバーのフライ返しは幾千の卵をすくひ朝を励ます
- 著者
- 涌井ひろみ
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2021-01-14
- 価格
- 2,700円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784781413341
発売済み
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