袖のあはれ

◆自選十五句より 黄昏やをこぜの眼もて世を見たく 後ジテの足袋渾身の冷気あり 奈良坂や夏蝶は地に翅合はす さらはれるなら春雪の畦をこそ 薔薇の字を百たび書きぬ薔薇の季 蜘蛛の囲の向う団地の正午なり 銭亀を飼うて百夜のすさびかな 大岩を乗り出して滝凍てにけり 踏むならばルオーの蒼き基督を わが狂気うすらひに葉の載つてをり 死に至る時間蕪を煮る時間 廃駅あり冬の落暉を見るために 滝の絵にしばしの端坐群青忌 去年今年ジヤコメツテイの歩く人 自動ドア大きく開き子規忌なる
- 著者
- 永島 靖子
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2009-09-01
- 価格
- 2,857円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784781401898
- ページ数
- 236ページ
発売済み
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