万葉集羈旅歌論

凡 例 はじめに──旅の歌の形成過程とその結果を考える  1 本書を読む前に──万葉集について  2 本書の意図 序 章 研究史をたどって──旅の歌の誕生と発想様式  1-1 旅の歌の類型をめぐる先行論(1)──大濱論  1―2 旅の歌の類型をめぐる先行論(2)──伊藤論  1-3 旅の歌の類型をめぐる先行論(3)──神野志論  2 近年の論──羈旅信仰論への疑問  3 残された課題──万葉における「家」や「旅」をどう理解するか  4 万葉人にとっての大和・都を〈故郷〉とみなすことの問題  5 日本の古代和歌における〈公〉と〈私〉  6 本書の構成と問題意識  第一部 旅の歌における「家」と「妹」 第一章 旅の歌における共感関係の淵源──〈留守歌〉考  1 なぜ〈留守歌〉か  2 旅の安全を祈るために詠まれたのか  3 留まる者が「らむ」と思い遣る意味  4 〈留守歌〉における同行希望と羨望の要素  5 〈留守歌〉における讃美的要素  6 おわりに──旅の歌における〈共感関係〉の淵源と展開 第二章 「家」の表現性の再検討──「家もあらなくに」と遍在する「家」  1 「家」=〈家郷〉という把握の問題と、奥麻呂の歌  2 「家もあらなくに」の問題点  3 「家」の表現性の基盤──一定期間住む居宅としての本質とその遍在性  4 「家もあらなくに」は「自分の住む家を離れていること」か  5 おわりに──共有された仮構としての〈家の妹〉 第三章 山上憶良「日本挽歌」の「家」「国内」について  1 当該歌の解釈をめぐる問題  2 長歌と反歌Ⅰの「家」  3 長歌「大君の遠の朝廷としらぬひ筑紫の国に泣く子なす慕ひ来まして」  4 反歌Ⅲ「あをによし 国内ことごと 見せましものを」  5 おわりに 第四章 相聞から望郷へ──巻四・509・510番歌考  1 はじめに  2 当該歌の和歌史的意義と表現の特徴  3 当該長反歌の「妹」は自宅で待つ妻か  4 長歌の表現の問題  5 反歌の理解  6 当該歌における「妹」との別離の意味  7 おわりに  第二部 羈旅歌論 第五章 羈旅歌とは何か──大伴卿傔従等の「悲傷羈旅」歌考  1 はじめに──羈旅歌をどう論じるか  2 大伴卿傔従等の「悲傷羈旅」歌の問題点  3 「悲傷羈旅」歌の解釈  4 〈移動〉の主題化と漢語「羈旅」  5 おわりに──「羈旅」の思いとは如何なるものか 第六章 〈羈旅〉主題化の始発──柿本人麻呂「羈旅歌八首」考  1 はじめに──〈羈旅〉をうたうということ  2 移動表現と「大和島」の表象──Ⅶ歌の解釈  3 〈羈旅〉の多様な局面をうたう──Ⅰ~Ⅴ歌の解釈  4 「家のあたり見ず」とうたうことの意味──Ⅵ、Ⅷ歌の解釈  5 おわりに──人麻呂「羈旅歌八首」の表現史的位置 第七章 高市黒人歌の方法(1)──「棚無小舟」の象徴性  1 黒人歌の「寂寥」をめぐって  2 黒人歌の同時代性──文武朝行幸従駕歌における美景意識との関わり  3 「棚無小舟」の象徴性の検証  4 去り行くものをうたう──送り出す者の視点を借りること 第八章 高市黒人歌の方法(2)──黒人「羈旅歌八首」の同時代性と独自性  1 黒人評の相対化のために  2 八首の描く〈羈旅〉の枠組みとⅦ歌──旅と〈移動〉の焦点化  3 黒人歌の同時代性──黒人歌は〈憂愁〉を主題とするか  4 黒人歌における独自性の片鱗──今・ここを超えて想像を及ぼす  5 おわりに 第九章 部類歌巻における〈羈旅〉像──巻七「羈旅作」考  1 巻七・羈旅作の問題  2 巻七雑歌部における羈旅作の位置──畿外にあること、海との関わり  3 羈旅作全体をどのように見るべきか  4 描かれる〈羈旅〉像──畿外諸国を移動することとその感慨  5 おわりに──巻七・羈旅作の描き出すものとその表現史的位置 終 章 旅の歌における「家の妹」と羈旅歌の意義  1 旅の歌と土着の抒情  2 旅の歌における「家」と「妹」の意義  3 羈旅歌の意義  4 その後の羈旅歌  5 本書のおわりに 初出一覧 あとがき 万葉和歌索引 書名索引 人名索引

著者
関谷 由一
出版社
北海道大学出版会
発売日
2021-05-31
価格
7,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784832968721
ページ数
334ページ

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