旹の跡

◆第三句集 とりどりの時間が落ちてゐる椿 私の詩に登場する全てのものたちの光陰の模様という意を込めて「?の跡」という名に致しました。(著者) ◆自選十五句 種袋振ると日和の音ばかり 虫はみな自分の闇を鳴らしをり 舞ひ上がる音丹頂となれる穹 土の香の春意あつめてゐる箒 想ひ出が菊の中から香りをり 切干の風の模様となる筵 とりどりの時間が落ちてゐる椿 人間のほかは曇りの海開き 体内の水澄むこゑを発したり 一村の灯が初空のいろとなる 初蚊打つ掌にぺちやんこのこゑの跡 ががんぼの名刺片足置いてゆく トンネルの秋思吐きだす電車くる 夕去りて鳴ける氷柱の番縄 おにぎりの転がりたがるあたたかさ

著者
梶原美邦
出版社
ふらんす堂
発売日
2023-09-04
価格
2,800円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784781415789

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