鳴鳴

曳いて来し山羊に曳かれて青き踏む 九年共に暮らした山羊のうしお君との思い出は尽きない。最期を看取った順一さんの姿 は本当の家族そのものだった。山羊の好んで食べていたものなどを見るたびにこれからも 思い出されることだろう。本集はうしお君追悼の思いで編むことを決意されたという。幸 せな山羊だったとつくづく思う。 (序より・名村早智子) ●自選十句 屈ませるちから菫のそのどこに 踏まれたる草の芽むんと戻りけり 本といふ窓の形や緑さす 滝に身を貫かれたく仰ぎけり 身の冷えてなほ一瀑を去り難し 尾頭は地球の裏か鱗雲 この膝も岩場の一つ赤とんぼ 梟の飛ぶ構へして糞放つ 放たれし山羊吸はれゆく夏野かな 秋草の香りもろとも子山羊抱く
- 著者
- 緒方順一
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2024-07-08
- 価格
- 1,700円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784781416694
発売済み
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