詩集 クロノスとカイロス

表題詩  朝                                      ポンとボタンに触れる 「午前六時です」と電波時計 目が覚める  いやまだ眠りの続きかもしれない いきなり「命なりけり」と言葉があらわれる 英文学者の名だ 彼の随筆の表題だ 六十年前のだ いや 西行法師だ 旅だ 小夜の中山をめぐり つづいて「花のもとにて」が夢のあとを追っている 「午前七時です」あたりはもう明るい 身をおこし深呼吸する おおわたしは生きている 生かされている 不思議な感覚だ「沈黙」である 沈黙は海であり ことばの海でもある 記憶の森から歌がおくられてくる 「海潮音」だ 英国詩人ブラウニングのピッパの歌〈春のあした〉だ 「神 そらにしろしめす すべて世はこともなし」 「朝は七時」 わたしはなにをする クロノスとカイロスが微笑んでいる 今日のプロジェは 2017.5

著者
河野妙子
出版社
書肆侃侃房
発売日
2019年8月26日
発売日の出典
openBD
価格
2,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784863853775
ページ数
104ページ

発売済み

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