心臓の風化

空をゆく鳥、雪がふり傘をさすあなた 心臓は風化しない 藪内亮輔久びさの第二歌集は恐ろしいほどの虚無と死を 孕んで差し出される。世界中に戦争の火種が見え隠れす る今、歌は痛みであり、出血を伴うかなしみである 【収録歌より】 沁み込んだ――滴(しづく)が。甃(いし)に。手のひらに。―― 血液といふ出口なき川 名を持つてしまつた君が名を持たぬ花を掲げて その燃える赤 唇あまた滅びてのちに一度だけふれし夜雨に海がけぶれり 最初からこの世は地獄 あきらめよ びたびたと魚(いを)のやうに降る雨 のどぼねは焼き滅びをり花はなほ 夏に降り積むまぼろしの雪
- 著者
- 藪内 亮輔
- 出版社
- 書肆侃侃房
- 発売日
- 2024-08-16
- 価格
- 2,400円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784863856356
- ページ数
- 176ページ
発売済み
関連書籍
広告