共存の時代

宗派主義に抗う近代アラブ世界

レーベルはサピエンティアです。

中東地域は宗教対立を常に抱えている!?  そんな通説に反して、シリアやレバノン、パレスチナに暮らす人々は、多様な宗教や宗派、民族の共存を長らく追求してきた。本書は、オスマン帝国末期から今日にいたるまでの、平等な市民権に基づく政治を構築する取り組みをダイナミックに描き出す。人種や宗教、ジェンダーを乗り越える試みは、アラブだけではなく世界共通の課題なのだ。

著者
ウサーマ・マクディシー、岡崎 弘樹、早川 英明、田中 雅人、山本 薫、金城 美幸、岡 真理
出版社
法政大学出版局
読者対象
専門書
内容
社会
発売日
2026年11月12日
発売日の出典
openBD
価格
4,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784588603860
ページ数
398ページ
判型
四六判

発売まであと27日

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目次

日本語版への序文 謝辞 序章 宗派を超える枠組み 第I部 第一章 帝国の時代における宗教・宗派的差異 第二章 宗派間暴力のるつぼ 第三章 ジェノサイドの時代における共存 第II部 第四章 植民地下の多元主義 第五章 オスマン帝国崩壊後のアラブ世界における宗派主義と反宗派主義 第六章 宗派を超える枠組みの崩壊 ――パレスチナにおけるアラブ人とユダヤ人 終章 訳者解題 『共存の時代』から希望を育む(岡崎弘樹) 原注 文献一覧 索引

著者について

ウサーマ・マクディシー

ウサーマ・マクディシー(Ussama Makdisi) 1968年生まれ。パレスチナ系米国人歴史家。レバノン・パレスチナを中心とする東アラブ地域の宗派主義問題や米・アラブ関係史を専門とする。2026年現在、カリフォルニア大学バークレー校の歴史学・学長寄付講座教授ならびに北米中東学会会長を務める。本書を除く主な著書に『宗派主義の文化――19世紀オスマン帝国支配下のレバノンにおける共同体、歴史、暴力』(2000年、未邦訳)、『裏切られた信頼――米アラブ関係の破られた約束、1820-2001年』(2010年、未邦訳)など。主著『オリエンタリズム』で知られるエドワード・サイードの妹ジェーン・サイード・マクディシーの息子、つまりサイードの甥にあたる。ポッドキャスト「マクディシー・ストリート」で中東情勢をめぐる米・アラブ知識人との多数の対談を行っている。

岡崎 弘樹

岡崎 弘樹(オカザキ ヒロキ)日本語版への序文・序章・第6章・終章・文献一覧 専門は、アラブ近代政治思想、および現代シリア文化研究。亜細亜大学国際関係学部多文化コミュニケーション学科准教授。著書に『アラブ近代思想家の専制批判――オリエンタリズムと〈裏返しのオリエンタリズム〉の間』(東京大学出版会、2021年)、訳書にヤシーン・ハージュ・サーレハ著『シリア獄中獄外』(みすず書房、2020年)、カースィム・アミーン『アラブの女性解放論』(共訳、法政大学出版局、2024年)など。

早川 英明

早川 英明(ハヤカワ ヒデアキ)第1章・第5章 専門は中東地域研究、思想研究。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。マルクス主義者を中心に、近現代レバノンにおける宗派問題をめぐる思想を研究している。論文に“What Does Antisectarianism Oppose?: Lebanese Communists’ Debates on Sectarianism, 1975–1981”, British Journal of Middle Eastern Studies, 50 (2), 2023など。

田中 雅人

田中 雅人(タナカ マサト)第2章 専門は近現代レバノン社会経済史、オスマン帝国史、フランス植民地史。ハイデルベルク大学越境文化研究所研究員。主な論文に「オスマン朝下レバノン山地特別県における宗派別土地調査と地域支配の再編」『東洋学報』第102巻4号、2021年。“Masonic Lodges in Late Ottoman Beirut: The Rise of Urban Middle Class and Its Civic Sociability”, in Cities through Time: Glimpses into Urbanity and Community in Mediaeval to Modern West Asia and Egypt, ed. Tomoko Morikawa (Brepols, 2026)など。

山本 薫

山本 薫(ヤマモト カオル)第3章 専門はアラブ文学研究。慶應義塾大学総合政策学部准教授。エジプトやパレスチナを中心に、文学以外にも音楽や映画など、アラブ圏の文化・芸術について幅広く研究・紹介を行う。著書に『石とザアタルの地――パレスチナ文学アンソロジー』(編訳、皓星社、2026年)、『中東の文学を旅する60章』(共編著、明石書店、近刊)など。

金城 美幸

金城 美幸(キンジョウ ミユキ)第4章 専門はパレスチナ研究。イスラエル建国(1948年)によって故郷喪失・離散を経験したパレスチナ人のナクバの記憶について研究している。名古屋学院大学国際文化学部講師。主要論文「帰還の権利を実践する――パレスチナ人難民のミクロな経験から」鶴見太郎・今野泰三編『帝国と民族のあいだ——パレスチナ/イスラエルの重層性』(東京大学出版会、2025年)など。

岡 真理

岡 真理(オカ マリ)第6章 専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題。早稲田大学文学学術院教授。著書に『記憶/物語』(岩波書店、2000年、新装版2026年)、『アラブ祈りとしての文学』(みすず書房、2008年)、『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房、2018年)、『ガザとは何か』(だいわ文庫、2026年)など。

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