詩画集 あの子の影は黒いチビ猫

猫電話 ∞ 紅葉で 真っ赤な外から もどるのは大きな黒猫 ∞ キッチンに立つ二本の足を クネクネとめぐり 無限大の記号をえがき ∞ 猫は ダイヤル式の 電話機になる ∞ それを両手でもちあげる 胸のところで リンリンと呼び出し音がなる ∞ シッポであった 受話器を耳にあてる おぼえのある声 ∞ 「もしもし 書物庫を『魂の病院』という 修道院はそちらですか」 ∞ 答えるまえに あいてが 番号ちがいに気づく ∞ 切れた会話で思いだす (少女のころの二行詩 …あの子の影は 黒いチビ猫…) ∞ タイトルは『星月夜』 きっと 今夜は星がきれい ∞ ケトルがゆげをだす ∞ 床におく黒電話 ∞ 姿のもどった猫が のびをする ラジオ放送の朗読番組、小川未明や宮澤賢治の童謡に耳を傾け、新聞の文化面の記事からは、おとなのさまざまな芸術運動を知った少女が、絵を描きながら過ごした日々。半世紀も前の少女時代からの作品に、心の軌跡をたどる詩を添えた、やさしい詩画集。
- 著者
- 小林 あき
- 出版社
- 書肆侃侃房
- 発売日
- 2019-08-11
- 価格
- 2,500円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784863853751
- ページ数
- 136ページ
発売済み
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