幸せを届けに

彗星のように出現した小鴨の波乱の人生  1992年、日本の陸上界に彗星のごとく現れ、そして去っていったシンデレラガール。小鴨は女子マラソンにおける〝記録より記憶に残る〟選手であった。五輪出場から30年近く経とうとしている今も、雑誌やテレビ番組などで「あの人はいま」という類の企画で取り上げられることも少なくない。ただ、「いま」に至るまでの経緯は、ほとんど紹介されることはない。現役時代の栄光と挫折だけでなく、表舞台から去った後の紆余曲折を知るにつれ、なぜ笑顔で当時を振り返ることができるのか、その疑問が大きくなっていった。  改めて取材を申し込んだのは2018年2月のことだった。それから1年近く話を聞いていく中で、小鴨が呟いた一言は、十分に納得できるものだった。  「いまが幸せなら、その時に辛く、悲しいことだったとしても、良き思い出として語れる。だからいまを一生懸命に生きることが大切なんじゃないですかね」  小鴨はいま、毎日が楽しいと言う。幸せだと言う。苦しみを乗り越え、その境地に至るまでの道のりを追った。 (本書「はじめに」より)

著者
光本 宜史
出版社
海鳥社
発売日
2019-03-20
価格
1,500円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784866560458
ページ数
234ページ

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