ホルモンハンター

高峰譲吉と上中啓三が1900年に達成した副腎髄質ホルモン「アドレナリン」の結晶化.分離分析技術が未発達の時代に世界の科学者たちはどんな研究を繰り広げたのか.単離競争のきっかけとなったヴュルピアンによる呈色反応の発見や,ホルモン研究の発展も含めて,約500年の歴史を再現する.別名「エピネフリン」採用の真相も解明. *推 薦* 日本中が山中伸弥先生の日本人二番目(最初の受賞者は利根川進さん)のノーベル生理学・医学賞受賞のニュースで盛り上がっている。そんな時に,この石田三雄氏の『ホルモンハンター ──アドレナリンの発見』は,少なくとももう一人,いや二人の日本人,すなわち,高峰譲吉と共同研究者の上中啓三,が副腎活性成分アドレナリンの単離結晶化を含む世界最先端の研究で,今の世界であればノーベル賞に値すると思われる業績をあげていたことを,膨大な調査に基づいた事実と考察で,いきいきと記している。 アドレナリンの生理・薬理的作用と重要性については若干ながら知ってはいたが,石田三雄氏の莫大な文献調査に基づく,あまたのノーベル賞受賞者が登場する,世界的スケールのドラマを吸い込まれるように読みきって,学問の世界はもちろんだが,それをはるかに越えたもろもろのドラマを堪能するとともに,自分自身の今と,おそらく残り少ないであろう未来に関するさまざまな刺激と教訓を得た感で一杯である。学者志望の若者達はもとより,多くの方々に私自身の得た感動に基づいて,この書を強くおすすめしたい。 根岸英一(2010年ノーベル化学賞受賞者) *推 薦* 高峰譲吉博士が偉大な功績を残した人物であるにも関わらず,その業績は必ずしも広く知られていない。著者の石田三雄氏は,真実の追求に妥協を許さない。世界で初めてのアドレナリン結晶化という大偉業が,多くの原典記録,資料をもとに丹念に検証されている。数々の研究業績を残した科学者・発明家であり,時代を先取る起業家でもあり,また日米の絆を結ぶ民間外交家という,実に多才な高峰譲吉博士の等身大の姿を存分に味わうことができる名著である。 庄田 隆(第一三共株式会社 代表取締役会長)
- 著者
- 石田 三雄
- 出版社
- 京都大学学術出版会
- 発売日
- 2012-12-21
- 価格
- 2,800円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784876985876
発売済み
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