武器化するエネルギー
資源・電力・重要鉱物の争奪と日本の活路

石油、天然ガス、電力、そしてレアアースやリチウムなどの重要鉱物――。エネルギーはいまも国家の「武器」として使われている。ホルムズ海峡の封鎖、ノルドストリームの破壊、ウクライナの発電施設への攻撃……。地政学者・奥山真司とエネルギー技術の専門家・小野﨑正樹が、エネルギーを武器に変える「供給・価格・物流・インフラ・ルール」の五つの型を整理し、米国・ロシア・中国・欧州の攻防を読み解く。自給率が極端に低い日本は、シーレーンと備蓄をどう守り、脱炭素をどう生かすのか。対談形式で日本の活路を探る一冊である。 【目次】 はじめに 第Ⅰ部 武器化の原理 第1章 エネルギーはどう武器化されるのか 第2章 武器化はどこまで効くのか ― 相互依存と逆流、ブーメランの条件 ― 第Ⅱ部 覇権争奪 第3章 米国 ― 供給力・金融・制度で支配する ― 第4章 ロシア、中国、欧州 ― 外へ広がるロシア、それを取り込む中国、ルールで戦う欧州 ― 第5章 脱炭素は新しい「武器」になるのか ― LNG、欧州、中国、そして水素の現実 ― 第Ⅲ部 日本の戦略 第6章 日本は何を備えるべきか ― 低い自給率の現実と、日本が築いてきた備え ― 第7章 シーレーン、同盟、ルール形成 ― 海の「通り道」を誰が押さえるのか ― 第8章 有事にどう備えるか ― 「切られにくい回路」をどうつくるか ―
- 著者
- 奥山 真司、小野﨑 正樹
- 出版社
- 芙蓉書房出版
- 読者対象
- 一般書
- 内容
- 政治・国防・軍事
- 発売日
- 2026年11月14日
- 発売日の出典
- openBD
- 価格
- 2,500円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784829509289
- ページ数
- 248ページ
- 判型
- A5判
発売まであと29日
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目次をすべて表示(全108行)
はじめに 第Ⅰ部 武器化の原理 第1章 エネルギーはどう武器化されるのか エネルギーは「武器」なのか 武器化には五つの型がある 供給を止める――もっとも古典的な手 価格を揺らす――量を止めずに効かせる 物流を握る――運び方を押さえる インフラを壊す、脅す――急所を突く ルールで縛る――見えにくいが、長く効く 五つの型は、なぜ効くのか ◆コラム◆ラム酒も〝武器〟だった⁉ 第2章 武器化はどこまで効くのか ― 相互依存と逆流、ブーメランの条件 ― 本書はどう読むべきか 武器は自傷にもなる 代替があるかどうかで決まる 電気は貯められない――同時同量という制約 効き目は時間とともに薄れる 脅しから戦争へ至る階段 効かせないための備え ◆コラム◆油がないなら、石炭から作ればいい 第Ⅱ部 覇権争奪 第3章 米国 ― 供給力・金融・制度で支配する ― 米国は覇権をどうやって築いたか 燃料と原料を自給できた強み 石油の生産は米国で始まった 中東進出が変えた石油の勢力図 上流を握る者が強い シェール革命――岩から絞り出す 米国がベネズエラ急襲で得たもの ◆コラム◆二億年前の海が、いまの中東をつくった 第4章 ロシア、中国、欧州 ― 外へ広がるロシア、それを取り込む中国、ルールで戦う欧州 ― ロシアはなぜ外へ広がるのか 資源をどう使ってきたか ロシアと中国、どちらが上か 「シベリアの力2」は動くのか 欧州はどう抜け出したか 北極海航路がもたらすもの 中国は日本にとって何なのか 日本は何を持ち、何を欠くか ◆コラム◆なぜ日本の電気は、富士川で分かれるのか 第5章 脱炭素は新しい「武器」になるのか ― LNG、欧州、中国、そして水素の現実 ― 脱炭素は「理想」だけでは動かない 天然ガスとLNGは主役であり続けるか 産業競争のかたちが変わる 欧州と中国、やり方の違い 水素社会は本当に来るのか 自動車は電気か、燃料か 電化できない領域――空、海、化学 原子力は現実的な選択肢か 脱炭素は技術覇権の争いになる ◆コラム◆牛のゲップは数えて、人の呼吸は数えない 第Ⅲ部 日本の戦略 第6章 日本は何を備えるべきか ― 低い自給率の現実と、日本が築いてきた備え ― 自給率は、なぜここまで低いのか 戦争が教えたこと オイルショックが変えたもの 日本が築いたLNGの仕組み 備蓄、長期契約、多様化の限界 国内資源に望みはあるか 価格と安全保障の折り合いをどうつけるか ◆コラム◆落下傘で奪った製油所、届いた油は二七% 第7章 シーレーン、同盟、ルール形成 ― 海の「通り道」を誰が押さえるのか ― シーレーンとは何か 三つのチョークポイント ホルムズ海峡は「最悪級」⁉ マラッカ海峡は中国の弱点でもある パナマ、北極海、そして迂回路 国内の急所をどう守るか 日米同盟と、その先の連携 豪・印・英・欧は何を持っているか ルール、備蓄、権益――回路に食い込む ◆コラム◆運河の幅が、主砲の口径を決めた 第8章 有事にどう備えるか ― 「切られにくい回路」をどうつくるか ― ホルムズが揺れると、何が危うくなるか ナフサという急所 備蓄は心強いが、安心はできない オイルショック後にやってきたこと 石炭液化が教えること 米国のシェールオイルに助けられている 台湾有事はありうるのか 国内の系統をどう守るか 重要鉱物を握られたら 技術と人をどう育てるか 攻められない仕組みをどうつくるか ◆コラム◆薄すぎるCO₂を、どう集めるか おわりに 注 参考文献・資料
著者について
奥山 真司
地政学・戦略学者。戦略学博士(PhD. Strategic Studies)。多摩大学経営大学院客員教授。拓殖大学大学院非常勤講師など。国際地政学研究所上席研究員。戦略研究会常任理事。日本クラウゼヴィッツ学会副会長。 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学を卒業、2011年に英国レディング大学で博士号を取得。 近著に『戦略論入門』(中公新書ラクレ、2026年)、『やさしくわかるエネルギー地政学』(小野﨑正樹氏と共著、技術評論社、2024年)、『世界最強の地政学』(文春新書、2024年)、『新しい戦争の時代の戦略的思考:国際ニュースを事例に読みとく』(飛鳥新社、2024年)、ほか、監修書に『サクっとわかるビジネス教養 新地政学』(新星出版、2024年)など。訳書に『大国政治の悲劇』(ジョン・ミアシャイマー著)、『米国世界戦略の核心』(スティーヴン・ウォルト著)、『地政学―地理と戦略―』(コリン・グレイ、ジェフリー・スローン編著)、『幻想の平和』(クリストファー・レイン著)、『なぜリーダーはウソをつくのか』(ジョン・ミアシャイマー著、以上、五月書房)、『戦略論の原点』(J・C・ワイリー著)、『平和の地政学』(ニコラス・スパイクマン著)、『戦略の格言』(コリン・グレイ著、以上、芙蓉書房出版)、『インド洋圏が、世界を動かす』(ロバート・カプラン著、インターシフト)など多数。
小野﨑 正樹
一般財団法人エネルギー総合工学研究所、名誉フェロー。九州大学より博士(工学)、米国プロフェッショナルエンジニア(PE)。 1975年、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了後、千代田化工建設株式会社に入社。オイルショック後の1980年から1981年まで石炭転換技術の研究のため、米国ウェストバージニア大学に留学。その後、石炭液化、石油精製、化学プラントの設計を担当。2000年にエネルギー総合工学研究所に移籍し、化石燃料グループの部長、研究統括の理事、研究顧問として、国のエネルギー技術戦略策定や化石燃料の利用技術の検討、CO2回収技術、CO2利用技術やカーボンニュートラルの研究に従事。 入社以来、米国だけではなく、1989年のベルリンの壁崩壊の時期にオランダ、マーストリヒトに駐在。中央アジアのウズベキスタンやキルギスタンなどの国々、オーストラリア、パキスタン、インドネシア、中国、中東諸国など世界各国での業務に携わる。 近著に『やさしくわかるエネルギー地政学』(奥山真司氏と共著、技術評論社、2024年)、『カーボンニュートラル2050ビジョン』(共著、エネルギーフォーラム、2024年)、『やさしくわかるカーボンニュートラル』(単著、技術評論社、2023年)、『図解でわかるカーボンリサイクル』(共著、技術評論社、2021年)や論文など多数。
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