評伝 立花隆

政治・脳死・宇宙・細胞・絵画・音楽・文学・教育……。関心領域のあらゆる事象を論じ続けた、不世出の「万能知識人(ゼネラリスト)」。その仕事と生涯を丹念に追う、名手による長篇書き下ろし評伝。 彼には、すでにして「知の巨人」という、不動の商標がついていた。私を奮い立たせたのはまず、このイージーな商標を引き剝がしてみたいという批評家としての欲望であった。卓越した知的フットワークの持ち主である彼に、「巨人」というレッテルを押しつけるのは、いかにもその有機的、動態的な知性の運動を静止させることでしかない。「知の巨人」である以前に、彼は大いなる旅の人であった。その軌跡を追うことはまた、知的な遍歴をたどり直すことでもあるだろう。サブタイトルにこめたのは、そのことである。 遥かなる知の旅――その第一歩は到達点へのそれではなく、帰還への小さな一歩である。大いなる旅人はしかし、同じ場所に戻ることはできず、同じ人間にとどまることもできない。「旅」は人間に何らかの変容をもたらし、それが次なる旅を促すことになる。立花はこの意味で、常に、そして既に「途上」にある人だった。(本書「あとがき」より)
- 著者
- 高澤 秀次
- 出版社
- 作品社
- 発売日
- 2023-11-14
- 価格
- 2,700円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784861829970
- ページ数
- 312ページ
発売済み
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