La genese de la danse de Salome

(原題和文訳)『サロメのダンスの起源—フロベールの『ヘロディアス』における“科学的装置”と多層的象徴学』聖書の逸話である洗礼者ヨハネ斬首の物語と「サロメのダンス」は十九世紀末に美術・映画・文学など多方面で最も注目されたモチーフであり、オスカー・ワイルドのサロメが一般的に知られてきた。本論文は、短いとはいえ文学的に初めてこのダンスを言語化したといわれているギュスターブ・フロベールの最晩年の作『三つの物語』の最後の短編『ヘロディアス』を政治・民族・宗教・神話・話法・文体・リズム・音韻・シンボル・草稿・読書ノートなど総合的に研究したモノグラフィー。作者の「科学的実証資料」が如何にして象徴的な「科学的装置」に生まれ変わったのかというフロベール的錬金術を検証し、有名な「スカラベのダンス」にヨハネの供犠とキリスト教における再生神話が太陽の神話と重なり合って描かれたことを解き明かし、サロメの根源的役割を浮かび上がらせた。またこれまで『ヘロディアス』に関して美学的・科学的・象徴的な側面から徹底的に分析した総合的な論考は残念ながら出版されておらず、「レアリスムの父」フロベールによる象徴的文学の研究は、文学史上におけるレアリスムからサンボリスムへの時代の転換点の解明にもつながることから大きな意義がある。後半では、同時代の象徴主義の画家ギュスターヴ・モローの絵画『サロメ』、ステファヌ・マラルメの未完の草稿『エロディアード』やオディロン・ルドンの『聖アントワーヌの誘惑』の石版画、ユイスマンス、オスカー・ワイルドの『サロメ』との比較研究を行い、『ヘロディアス』が十九世紀の他の文芸作品とどのような間テクスト性を持ちえたかを解明し、フロベールによって描かれたヘロディアスとその娘サロメが十九世紀末の「宿命の女」のイメージ形成において決定的な役割をしていたことを図像学も含めて説得力のある実証的な分析によって明らかにした。※この詳細画面ではアクサンなどフランス語の特殊文字が正しく表記されておりません。 正しい表記は、フランス語での内容紹介、目次表記、著者紹介、をご覧下さい。
- 著者
- Atsuko OGANE
- 出版社
- 慶應義塾大学出版会
- 発売日
- 2006-03-01
- 価格
- 12,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784766412314
- ページ数
- 328ページ
発売済み
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