バイオハザードの誕生
サバイバルホラーに賭けたゲームクリエイターたち

すべては、一軒の洋館から始まった――。 1996年に発売され、世界中のプレイヤーを恐怖に陥れた『バイオハザード』。 だが、その誕生と成功の裏には、幾度もの試行錯誤と挫折、そして常識を打ち破ろうとした開発者たちの決断があった。 本書は、カプコン初のホラーゲーム『スウィートホーム』を源流に、初代『バイオハザード』の誕生、完成間近で白紙に戻された幻の『バイオハザード1.5』、セガや任天堂を巻き込んだハード戦略、オンラインや携帯機への挑戦、そして数度の作り直しを経てゲーム史を塗り替えた『バイオハザード4』まで、シリーズ最初の10年を克明にたどる開発史である。 なぜ『バイオハザード2』は、完成目前で作り直されたのか。 なぜシリーズはプレイステーションを離れ、ゲームキューブへ向かったのか。 なぜ『バイオハザード4』は、それまでの成功の方程式を捨てたのか。 三上真司、藤原得郎、岡本吉起、神谷英樹をはじめ、シリーズを築いた主要クリエイターへの独自取材から浮かび上がるのは、名作の陰に隠されてきた「人」の物語だ。 企画の迷走、技術の限界、会社の論理、ゲーム機をめぐる競争――幾度も訪れる危機のなかで、彼らは失敗から学び、そのたびに『バイオハザード』を作り変えていった。 『バイオハザード』への愛が高じて日本へ移住した著者が贈る、唯一無二の「バイオの歴史書」が、シリーズ生誕30周年を迎えた2026年、英・仏・西・露・波に次いでついに本邦上陸。 これは、ゾンビの物語ではない。 サバイバルホラーという新たなジャンルを切り拓いた者たちの、挑戦と挫折、栄光の記録である。 豪華装画は、世界的人気カードゲームのイラストなどを手がける有田満弘による描きおろし。 〈目次〉 序文──あの扉の先で人生が変わった 文◉マーク・フリオ はじめに──作り手たちの声をたどって 第1章 サバイバルホラーの夜明け──『バイオハザード』はこうして生まれた 「アクションの会社」カプコンと藤原得郎/『スウィートホーム』の記憶──カプコン初のホラーゲーム/三上真司登場──恐怖を託された若き才能/見えない敵──怖さを生むゲームの設計/「鍵開けの達人」──バリーの迷台詞/開発中止の危機から、カプコンを救う大ヒットへ 第2章 傑作は一度、捨てられた──『バイオハザード2』の再起 神谷英樹──続編を託された25歳のダークホース/杉村升の駄目出し──『バイオハザード1.5』を捨てる決断/レオンとクレア──交差する物語が続編を変える/発売4日で約140万本/「お母さんに聞け」──毒舌の奥にある師弟の絆 第3章 外伝が本編に変わるとき──『バイオハザード3 LAST ESCAPE』の舞台裏 「3」になるはずのなかったゲーム/ジルとネメシス──逃げ場を奪うアクションと恐怖/発売目前、外伝は本編になった/数字にどれほどの意味があるのか──青山和弘、振り返る 第4章 震えて待て──検閲、振動、音楽をめぐる騒動 『バイオハザード ディレクターズカット』──「無修正」の約束はなぜ破られたか/震える『バイオハザード』──『バイオハザード ディレクターズカット デュアルショックVer.』と『バイオハザード2 デュアルショックVer.』 第5章 セガと夢見た次世代──『バイオハザード コード:ベロニカ』への道 ソニー、セガ、任天堂──恐怖を奪い合うゲーム機戦争/セガサターン──移植の成功と、続編の断念/ドリームキャスト──夢を託した新世代/罠は手加減しない/アシュフォード家──家族の絆が狂気に変わる/ウェスカーの帰還──「完全版」が補った物語/夢は終わる/加藤弘喜、断じて農家にあらず 第6章 ポケットに恐怖を──携帯ゲーム機との格闘 game.com版『バイオハザード2』──知られざる海外作品/容量オーバーの悪夢──ポケットに入らなかったゲームボーイカラー版/『BIOHAZARD GAIDEN』 第7章 一人称視点へ──ガンサバイバー・シリーズ 『ガンサバイバー』──一人称の実験/『ガンサバイバー2』──戦慄はゲームセンター へ/『ガンサバイバー4』──ふたつの視点が開いた可能性 第8章 任天堂に賭けた未来──キューブのなかで培養される恐怖 ファミリー向けで、しかも容量が足りない──任天堂という問題/64メガに詰め込め──N64版『2』/残り容量ゼロ──N64版『バイオハザード0』/宮本茂との握手──「バイオハザード」戦略発表会/マイクロソフトの誘い、久夛良木健の怒り/原点へ戻る――『バイオハザード』リメイク/『バイオハザード0』──最後の伝統型 第9章 仲間とともに生き残れ──『バイオハザード アウトブレイク』とオンラインへの挑戦 オンライン・マルチプレイの広がり/「タイミング最悪だ」──『バイオハザード アウトブレイク』/『ファイル2』──改良しても越えられなかった壁/消えた続編、受け継がれた物語──『レクイエム』とのつながり 第10章 決死のフルモデルチェンジ──『バイオハザード4』という革命 マンネリという名のウイルス/スタイリッシュ・アクション──『デビル メイ クライ』/カプコンファイブ──『バイオハザード4』、ついに姿を現わす/漏らすなよ/ゾンビを捨て、視点を変える──恐怖の全面刷新/チェーンソー男の衝撃/三上の首──『バイオハザード4』、プレイステーション2へ 第11章 新時代の種をまく 『Deadly Silence』──10年目にかなった携帯機への夢/生みの親がシリーズを離れるまで/咲いて、散った四つ葉──クローバースタジオの始まりと終わり/カプコン退社後──プラチナゲームズ、Tango Gameworks、そしてその先へ おわりに 翻訳者の手記――サバイバルホラーの世界的伝染と変異に関する症例報告 文◉小島朋美
- 著者
- アニエル・アレクサンダー、小島朋美
- 出版社
- DU BOOKS
- 読者対象
- 一般書
- 内容
- 趣味・娯楽
- 発売日
- 2026年11月10日
- 発売日の出典
- openBD
- 価格
- 3,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784866472560
- ページ数
- 352ページ
- 判型
- 四六判
発売まであと25日
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アニエル・アレクサンダー
サンフランシスコ出身、2007年より東京在住。13歳のときに『バイオハザード』シリーズをプレイしはじめたことをきっかけに日本を訪れ、日本語を学び、やがて日本に移住。ゲーム業界で15年にわたる経験を持ち、事業開発および制作コンサルタントとして活動している。
小島朋美
翻訳者、編集者。有志団体「映画パンフは宇宙だ!」(PATU)にて編集・企画・翻訳を担当。訳書にキャロル・J・クローヴァー『男と女とチェーンソー』(晶文社、2026年)。サバイバルホラーとの出会いは『アローン・イン・ザ・ダーク』。
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