祭星句集

◆第一句集 芭蕉より蕪村が好きで春の土手 ふとこぼれた本音のような一句である。「春の土手」は蕪村の「春風馬堤曲」へのオマージュだろう。朔太郎は『郷愁の詩人 与謝蕪村』の中で、蕪村のポエジーの実体は「時間の遠い彼岸に実在している、彼の魂の故郷に対する『郷愁』」であると語っている。祭星氏の作品の底に流れる抒情の源もまた〈魂の故郷への郷愁〉であるかもしれない。 跋より・皆川 燈 ◆作品紹介 氷り田を月越す山の鳴りやまず 美しき十五夜ゆがむ玻璃戸越し はたと肩打たれて葛の花なりし 雨あらき闇の底なる鳳仙花 白梅に夜明けくるものみな濡れて 芽柳の影わが影にまつはりて 春の水なり枯葦を縫ひながら 枯るる沼かぐろきままに澄めりけり たましひの遊び呆けるけし畑 こほろぎが小さく鳴き澄む脳の襞
- 著者
- 坪井祭星
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2024-09-26
- 価格
- 2,800円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784781416854
- ページ数
- 164ページ
発売済み
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