ここにあることの輝き

激しい生命の炎を燃焼し尽くした、夭折の女性画家の生涯を、現代フランス文学を代表する作家ダリュセックが、研ぎ澄まされた文体で描く。 男性のまなざしの外にある女性の姿が、そこに浮かび上がる―― ドイツ近代絵画史において独特の「輝き」を放つパウラ・M・ベッカーは、歴史上初めて、裸体の自画像を描いた女性画家としても知られ、七百点を超えるポートレート、風景画、静物画などを遺した。 長く美術の歴史において支配的であった男性のまなざしから解き放たれた女性たちが、多く描き出されている。 メディシス賞受賞作家マリー・ダリュセックによる 渾身の「伝記」=オートフィクション。 私は 私、 そして私はもっともっと私になるように望む。 Je suis Moi, et j’espère devenir Moi de plus en plus. 本書「訳者解説」より 小説は冒頭、ブレーメン近郊のヴォルプスヴェーデにあるパウラの家を訪れるところから始まり、読者を物語へと誘い込む。「私」は画家の絵を求めてドイツ各地の美術館をめぐる。百十年前に、パウラがパリを訪れて、ルーヴルやサロン、ギャラリーを観てまわったように。かくして、「伝記」を執筆する「私」と対象であるパウラの「私」が、その主客の違いを超えて時に重なり合う。(本書「訳者解説」より)
- 著者
- マリー・ダリュセック、荒原 邦博
- 出版社
- 東京外国語大学出版会
- 発売日
- 2023-11-20
- 価格
- 2,300円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784910635064
- ページ数
- 232ページ
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