それぞれの戦い

二十世紀初頭に始まった女性解放の動きに呼応するかのように、女性の伝統的生活領域を踏み越えていった三人の女性作家たち。 ――それぞれの戦いの軌跡。 一九二〇年代、ドイツ語圏で活動した三人の女性アヴァンギャルド芸術家。 彼女たちは常に旅の途上にあり、自分自身の体験を語るための言葉を探し続けた。 現代ドイツの女性作家ラインスベルクが、男性が書いた「文学史」への批判を込めて、 とぎれとぎれの、錯綜する女性たちの声をたどり、彼女たちの痛みと貧しさ、孤独、 そしてすべてを越えて生きのびようとする反骨心を描き出していく―― 女は異邦の人。 Die Frau ist eine Fremde. 彼女には自分のイメージがなく、それゆえに顔もない。 Sie ist ohne Bild von sich, und daher auch ohne Gesicht. 本書「訳者解説」より 彼女たちは、カバレットの芸人や歌手、舞台俳優、ラジオのナレーターやジャーナリストとして常に旅の途にあり、表現者としては、既存の芸術領域からはみ出すような横断的存在であった。そしてその越境的なあり方は、彼女たちのその後の運命にも暗い影を落としている。(中略)第二次世界大戦とホロコーストによって、国外に逃れた彼女たちの、一九二〇年代の活動や作品は中断され、文学史記述からもこぼれ落ちていったのだが、ラインスベルクはこの忘却のプロセスを軸に彼女たちの生涯を描いている。(本書「訳者解説」より)
- 著者
- アンナ・ラインスベルク、西岡 あかね
- 出版社
- 東京外国語大学出版会
- 発売日
- 2023-11-20
- 価格
- 2,200円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784910635071
- ページ数
- 160ページ
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