ユダヤ・ジェノサイドと日本の戦後
アウシュヴィッツ、夜と霧、ホロコースト、ショアー
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〈かの出来事〉を日本人はいかに受けとめたか 膨大な史資料を渉猟・分析し、戦後日本におけるユダヤ観の変遷だけでなく、 「戦後」という時代が日本人にもたらした思考の枠組みをも浮かび上がらせる空前の大著。 出来事に対し、自らの足元と心の内を省みることをもってその「受容」が始まるのだとすれば、今日に至るまで日本人は〈かの出来事〉をどのように受け入れてきたのか。出来事の呼称の問題、『夜と霧』と『アンネの日記』、アイヒマン裁判の意味、広島・長崎の原爆との相関性、杉原千畝の「命のヴィザ」言説が公論に与えた影響、1990年代に生じた言論空間の変質……。ユダヤ・ジェノサイドの受容過程を膨大な史資料の分析とともに追跡しながら、「日本」という場所、「戦後」という時代がいかに日本人の思考や感性を規定してきたかを炙り出す。 装画=丸木位里・丸木俊《アウシュビッツの図》(原爆の図丸木美術館、1977年) === 「われわれは、自身や自身が属する人間集団を襲った災厄を他者や他の人間集団が被った苦難と結びつけない限り、災厄や苦悩を人工的に生み出し続ける戦争やジェノサイドの久遠の悪循環から抜け出すことができない。よって、われわれは、ときに苦痛や嫌悪感をともないながらであっても、他者の災禍の火口を覗きに、それぞれの外輪山への登山を試みなければならない。ただ山に登り、火口底を覗いて帰ってくればよい、というものではない。自分が他者の災厄をわざわざ覗きに行くのは、特定の苦難の歴史的特殊性を捨象するためでも、逆にそれを絶対化、特権化、神聖化するためでもなく、それが、ある火山について学ばれ得る教訓が別の火山の麓の平野部において忘れられたり、無視されたりするのを食い止める唯一の方法だから、との意識をもって、そうしなければならない。」 ――「終わりに」より ===
- 著者
- 菅野 賢治
- 出版社
- 筑摩書房
- 読者対象
- 一般書
- 内容
- 日本史
- 発売日
- 2026年12月10日
- 発売日の出典
- openBD
- 価格
- 20,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784480843401
- ページ数
- 1160ページ
- 判型
- A5判
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はじめに 第一章 〈かの出来事〉をどう呼ぶか? 第二章 第一次〈アウシュヴィッツ〉期 1945~1956 第三章 〈夜と霧〉期 1956~1961 第四章 アイヒマン裁判の受容 1960~1961 第五章 第二次〈アウシュヴィッツ〉期 1961~1977 第六章 〈ホロコースト〉期 1978~1994 第七章 杉原千畝「命のヴィザ」とは何だったか? 1979~1994 第八章 〈ショアー〉期 1995~ 終わりに 註 あとがきに代えて――アウシュヴィッツ早朝ジョグ 人名索引
著者について
菅野 賢治
菅野 賢治(かんの・けんじ):1962年、岩手県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。パリ第10大学博士課程修了。東京理科大学教養教育研究院教授。専門はフランス語、ユダヤ研究。著書に、『ドレフュス事件のなかの科学』(青土社)、『フランス・ユダヤの歴史』(上・下、慶應義塾大学出版会)、『「命のヴィザ」言説の虚構』『「命のヴィザ」の考古学』(ともに共和国)など。訳書に、マルセル・リュビー『ナチ強制・絶滅収容所』、レオン・ポリアコフ『反ユダヤ主義の歴史』(全5巻、共訳、ともに筑摩書房)、ヤコヴ・M・ラブキン『トーラーの名において』『イスラエルとは何か』(ともに平凡社)、アーノルド・ゼイブル『カフェ・シェヘラザード』(共和国) など。
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