医療人の底力実践

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医療系総合大学である鈴鹿医療科学大学の教職員陣が、総力を挙げて作った初年次生用テキストである。 鈴鹿医療科学大学では、看護師、薬剤師、臨床放射線技師、医療工学技士など医療系専門職を目指す学生 にどういう導入教育が必要であるかを、この数年間、議論してきた。医療系専門職になるためには、まず は国家試験に合格しなければならないが、それは必要条件であり、十分条件であるとは到底言えない。し たがって、大学は、国家試験で量ることができない医療系専門職に必要な力を育てる場でなければならな い。鈴鹿医療科学大学は、その力を「底力」と名付け、その力は「前に踏みだす力」「感じ取る力」「考 え抜く力」「コミュニケーション力」の4つで構成されると考えた。  鈴鹿医療科学大学では、本年度から、1年生全員が,「底力」を培うため、介護、救急救命、対人コミュ ニケーション、薬物・タバコの害、メンタルヘルス、チーム活動、情報収集と情報発信、ディベート、 ボランティア活動を、具体的体験を通して学ぶことになった。介護は、日常生活機能の低下した人への生 活上のサポートであり、救急救命は、突然のけがや病気によって異常な事態に陥った人への応急の手当て である。この2つの実践の主たる目的は、学生たちが医療系専門職として、困っている人に、見て見ぬふ りをすることなく積極的に立ち向かう力(前に踏み出す力)をつけることである。対人コミュニケーショ ン、チーム活動、情報収集と情報発信、ディベートの授業では、さまざまなプログラムが準備されている。 担当する教職員は、このプログラムの実施においてファシリテーター役を果せるよう訓練を受けてきた。 これらの実践は、学生たちが将来、患者・利用者と専門職との関係、専門職と専門職との関係、さらには 専門職と社会との関係を、より良いもの、よりレベルの高いもの、より生産的なものにしていく土台作り (感じ取る力、考え抜く力、コミュニケーション力)になると考えている。そのほか、薬物・タバコの害、 メンタルヘルス、ボランティア活動の学習も、医療系専門職にとって重要なテーマである。  本書には、学生が上に述べたような体験学習を行うに当たって、必要な知識、事柄を網羅したものであ る。文章はとても分かりやすく、写真や図が満載されている。鈴鹿医療科学大学の1年生だけでなく、医療 系専門職を目指す高校生や専門学校生にも読んでもらいたい。また、上級生になっても、現場の仕事に従 事するようになっても、医療系専門職の原点として本棚の片隅に立てておいてほしいと思う。

著者
鈴鹿医療科学大学
出版社
三重大学出版会
読者対象
教養書
内容
医学・歯学・薬学
発売日
2014年5月19日
発売日の出典
openBD
価格
1,000円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784903866260
ページ数
139ページ

発売済み

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