わたしは今日まで生きてみました

吉田拓郎の「僕の歌」と日本の青春

2026年2月、吉田拓郎さんは「オールナイトニッポンGOLD」に登場し、元気な声を響かせ引退を否定するとともに、大阪と名古屋で2日間だけのコンサート、「春だったね2026」の開催を告知しました、そしてチケットは即完。 2時間半以上の時間、パワフルに歌い上げました。 本書では、吉田拓郎さんの1970年代から2000年代までの各時代の曲の歌詞をフルコーラス掲載し、文芸批評家の目で読み解きます。 吉田拓郎さんが生まれたのは1946年、戦争が終わった翌年。その歩みは日本の戦後そのものでした。敗戦、復興、政治の季節の到来とその後の空虚、平和と享楽、個人主義と自由主義の時代へという戦後日本の変遷のなかで、吉田拓郎さんの歌は戦後復興期を彩った戦争を知らない新しい若者たちとともにありました。 吉田拓郎さんが残した最も大きなもの。それはもちろん彼の歌のなかにあります。 吉田拓郎さんの歌が持っていたものは何だったのか。それは自分のことを自分の言葉で伝えていいのだ、というシンプルだけど、強烈なメッセージでした。 吉田拓郎さんという人が何を歌ったのか、私たちに残してくれたものは何だったのかを、顧みられることがあまり少なかった彼の詞を読むことを通じて書き残しておきたい、その思いで本書を作りました。この本を、吉田拓郎さんへの、子の世代からの手紙のように読んでもらえればと願います。 【目次】 序章  名もなき石ころとして忘れられていく 第1章 「イメージの詩」(1970) 期待はずれの歌 第2章 「どうしてこんなに悲しいんだろう」(1971) 歌の言文一致 第3章 「今日までそして明日から」(1971) 平凡で当たり前であること 第4章 「人間なんて」(1971) 若者の発見と青春の獲得 第5章 「結婚しようよ」(1972) 挑発 第6章 「夏休み」(1971) 置き去りにしてきたもの 第7章 「ペニーレインでバーボン」(1974) はじまりの終わり 第8章 「人生を語らず」(1974) なぜ口を閉ざすのか 第9章 「襟裳岬」(1974) 岡本おさみと吉田拓郎 第10章 「我が身可愛く」(1976) 大人への階段 第11章 「おやじの唄」(1972) 死と誕生と別れと 第12章 「僕の一番好きな歌は」(1978) もう昔の歌はうたわない 第13章 「流星」(1979) たしかな事など何もない 第14章 「ペニーレインへは行かない」(1984) どうしてこんなに悲しくないんだろう 第15章 「家へ帰ろう」(2002) 中島みゆきからのメッセージと吉田拓郎の返歌 第16章 「慕情」(2012) 最後の「僕の歌」 終章 出発すること ひとりであること 引用・参考文献

著者
奥 憲介
出版社
西日本出版社
読者対象
一般書
内容
日本の評論・随筆
発売日
2026年10月28日
発売日の出典
openBD
価格
1,800円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784911497074
ページ数
304ページ
判型
四六判

発売まであと12日

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著者について

奥 憲介

1969年生まれ。文芸批評家。慶応義塾大学文学部卒業。 東日本大震災、福島第一原発事故をきっかけに文学評論に取り組み始める。 「開高健論―非当事者性というフロンティアを生きる」で2018 年すばるクリティーク賞佳作。戦後文学、現代社会をテーマに文芸誌等に執筆をしている。 著書に『「新しい時代」の文学論』(NHKブックス)、『働く文学』(東海教育研究所)。

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