マーティン・スコセッシ

暴力と祈りの世界を見つめて

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『タクシードライバー』を撮り終えたとき、 わたしは撮り始めたときよりも正気を失っていた。 ──マーティン・スコセッシ ハリウッドの成功と栄光を讃えながら、その伝統と作法を破壊し続け、それでもなお生き残った男。夢と現実、成功と挫折、愛と憎悪──人の運命のあらゆる局面を描き続けた〈映画の守護者〉の足跡を辿る。 ニューヨークのリトル・イタリーで育ち、幼い頃から映画と信仰のあいだで成長した少年は、いかにして世界を代表するアメリカの映画監督になったのか。 新しい時代の「映画作家」となるべく過ごした映画学科の時代、ロジャー・コーマンのもとでの映画制作の時代を経て、『ミーン・ストリート』『タクシー・ドライバー』というニューヨークを舞台とした2本の犯罪映画の傑作が、スコセッシを時代の寵児へと押し上げた。『レイジング・ブル』、『グッドフェローズ』、『カジノ』等の傑作における背景、『ニューヨーク・ニューヨーク』、『救命士』等の「失敗作」とも受け取られた作品における意思、あるいは『最後の誘惑』、『クンドゥン』、『沈黙 -サイレンス』等の信仰をめぐる作品に込められた信念とは、いかなるものだったか。 アメリカとイタリアを2つの極とする映画史への深い造詣のもと、俳優のロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、レオナルド・ディカプリオ、撮影監督のラズロ・コヴァックス、マイケル・チャップマン、あるいは編集技師のセルマ・スクーンメイカーら新しい世代の映画人たちとともに、半世紀以上にわたりマーティン・スコセッシは、あたかも映画の〈守護者〉として、自らの仕事を推し進めてきた。暴力あるいは祈りに満ちた世界へとキャメラを向け続けた世界的巨匠、そのキャリアの核心に迫る。

著者
イアン・ネイサン、中山 宥
出版社
フィルムアート社
読者対象
一般書
内容
演劇・映画
発売日
2026年10月24日
発売日の出典
openBD
価格
3,400円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784845925216
ページ数
256ページ
判型
B5変型判

発売まであと8日

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目次

イントロダクション リトル・イタリー――『What’s a Nice Girl Like You Doing in a Place Like This?』(1963)、『It’s Not Just You, Murray!』(1964)、『The Big Shave』(1967) 人生を撮る――『ドアをノックするのは誰?』(1969)、『明日に処刑を…』(1972)、『ミーン・ストリート』(1973)、『アリスの恋』(1974) 神の孤独な人間――『タクシードライバー』(1976)の崇高なる闇 闇の技巧――『ニューヨーク・ニューヨーク』(1977)、『レイジング・ブル』(1980)、『キング・オブ・コメディ』(1982) 誘惑――『アフター・アワーズ』(1985)、『ハスラー2』(1986)、『最後の誘惑』(1988)、『ニューヨーク・ストーリー』第1話「ライフ・レッスン」(1989) ワイズガイども――『グッドフェローズ』(1990)の華麗なれど死と隣り合わせの生きざま 俳優としてのスコセッシ 見逃せない出演作10選 パラドックス――『ケープ・フィアー』(1991)、『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(1993)、『カジノ』(1995)、『クンドゥン』(1997) アメリカン・ドリーム――『救命士』(1999)、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)、『アビエイター』(2004)、『ディパーテッド』(2006) 魔術師たち――『シャッター アイランド』(2010)、『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』(2010)、『ヒューゴの不思議な発明』(2011)、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)、『沈黙-サイレンス-』(2016) 真実の追求 ドキュメンタリー作家としてのスコセッシ 長いゲーム――『アイリッシュマン』(2019)、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)、今後のプロジェクト

著者について

イアン・ネイサン

映画ライター。著書に『クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男』『ウェス・アンダーソン 旅する優雅な空想家』『ギレルモ・デル・トロ モンスターと結ばれた男』『クリストファー・ノーラン 時間と映像の奇術師』『デイヴィッド・リンチ 幻想と混沌の美を求めて』『クリント・イーストウッド 気高き〈アメリカ〉の放浪者』『スティーヴン・スピルバーグ 未知と驚異の創造主』(以上、フィルムアート社)、『ティム・バートン 鬼才と呼ばれる映画監督の名作と奇妙な物語』(玄光社)などがある。

中山 宥

翻訳家。1964年生まれ。主な訳書に『マネーボール[完全版]』『〈脳と文明〉の暗号』(ともにハヤカワ・ノンフィクション文庫)、『ジョブズ・ウェイ』(SBクリエイティブ)、『動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話』、『デイヴィッド・リンチ 幻想と混沌の美を求めて』『スティーヴン・スピルバーグ 未知と驚異の創造主』(フィルムアート社)、『生き抜くための12のルール』(朝日新聞出版)、『新訳ペスト』(興陽館)などがある。

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