イタリア人 あるいは黒悔悛会の懺悔室

侯爵家の息子ヴィヴァルディに見初められたエレナ。 快く思わぬ侯爵夫人は邪悪な修道士を使い、二人を 引き裂こうとする。苦境に陥った彼らの運命は―― ゴシック小説の傑作にして探偵小説の源流。『ユドルフォ城の怪奇』に続いて 執筆された、著者生前最後の長篇であり最高傑作。半世紀ぶりの新訳成る! 「恥辱ですって!」侯爵夫人は叫んだ。「導師様、貴方は……貴方は……恥辱とおっしゃるのですか……ずいぶん強いお言葉だこと……でも、おっしゃるとおりかもしれません……そしてわたくしたちは、その恥辱に甘んじなければならぬのでしょうか……そんなことに甘んじられるものでしょうか……」 「救済策はありませんな」スケドーニは冷ややかに言った。 「まあ、何ということでしょう……」侯爵夫人は叫んだ。「こんな罪深い結婚を阻止する、いえ、少なくとも罰するような法がないだなんて(…)人の家に土足で入り込んで、その家名に泥を塗る(…)そんな女は、国事犯とほとんど同列の罰を受けて然るべきですわ。何しろ国の一番の支えとなっている一族に害をなしたのですから。そういう女は――」 「ほとんど同列、ではなく、まさに同列の罰を受けるべきです」聴罪師が代わって言った。「そういう女が値するのは――死、あるのみです」(本書より)

著者
アン・ラドクリフ、三馬 志伸
出版社
作品社
読者対象
一般書
内容
海外の小説
発売日
2026年10月21日
発売日の出典
openBD
価格
5,400円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784867931585

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