文化権力とは何か

権力にも、文化にも、さまざまなあり方がある── 本書は、権力と文化が織りなす磁場に形成・生成される動態、すなわち文化権力をテーマにした論文集である。 権力とは思われていないが、実際はどこかで権力として作動しているものがあったり、あるいは無自覚に行われている支配と非支配との関係性など。人々が同じ歴史と文化を語るにしても、その語り方は一つではない。語りがしばしば特定の権力や価値観と結びつきながら形成されることもある。 固定された歴史と文化の意味を問うのではなく、時代によって変わりゆくそれらを、その磁場に形成・生成される動態を、問う。 テーマ収録されるテーマは、帝国日本の文化装置として再構築された「能楽」、父母から跡見家の再興を託された跡見花蹊、近代の短歌─「優美」な女性を構築しようとした和歌から、「新派」の表現を拓いた明治末期の女性たち、戦時体制下のラジオドラマの脚本、「時局物」の浄瑠璃の詞章、忘れられた児童文学者・高尾亮雄(楓蔭)、植民地の博物館で語られる歴史と文化、植民地朝鮮での音楽を「記す」という行為、公爵島津家の当主が慶長の役で島津軍が軍功をあげた泗川の戦いの舞台である泗川新城跡を購入した顛末など、多数。 執筆は、徐 禎完、榊原千鶴、松澤俊二、濱下知里、奥田粋ノ介、遠藤 純、朴 貞蘭、金 志善、鈴木 彰。 【本論集では、文化と権力が交錯するところに生み出されるさまざまな関係性を読み解く試みがなされている。それぞれの論文の結論もまた、よくみれば必ず何らかの「文化権力」の磁場にからめとられている。そうしたことに自覚的になってみると、これからなすべき課題は多く残されていることにおのずと気づかされることになる。本論集が、これからの人文学的課題と向き合う際にいかなる意義をもつのか。それぞれの立場、視点から批判的にお読みいただければ幸いである。】‥‥‥‥「はじめに」より

著者
徐 禎完、鈴木 彰
出版社
文学通信
読者対象
一般書
内容
日本の評論・随筆
発売日
2026年9月25日
発売日の出典
openBD
価格
4,800円(税込・書誌情報提供:openBD)
ISBN
9784867661314
ページ数
448ページ

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