蜷の道

◆第一句集 句集を読む楽しみは、詩の扉を開けて凡々たる日常から離れ別乾坤に遊ぶことにある。 文学と音楽を愛する才媛がやがて母となり祖母となり、俳句の道を歩んで二〇年を経たいま、なお含羞の心をもって世に問う句集がここにある。 扉を開くと颯々と風の渡る世界がそこにひろがっている。 帯・中嶋鬼谷 ◆中嶋鬼谷抄出十二句 をさな子のしづかな寝息木の実降る 草いきれ前行く人のふつと消え 山の端の月の出くらき鵜舟かな 鍬ついて山を見てをり生身魂 天窓の雪細りゆく雛かな 空梅雨の夜空を白き雲流れ 柊の匂ふ吉野のまくらがり 産み終へてはくれんのごと眠りをり 螢火のひとつ呼ばるるごと迅し 斑鳩は蜷の道より暮れゆけり うすうすと棚田の跡や葛嵐 耳病んで音無き雨の濃紫陽花
- 著者
- 安藤眞理子
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2024-01-23
- 価格
- 2,600円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784781416205
発売済み
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