吉野百景

◆第六句集 本書は吉野讃歌でも名所案内でもない。絶妙の間合いで句文が織りなす物語絵巻である。 「題箋」吉野百景―小文は「詞書」、俳句は「絵巻」、帯は「巻緒」といったところか。 お父様は熊野、お母様は吉野の人と聞いた。素基俳句の根源には、産土に対する懐かしさと有難さがある。 帯・谷口智行 ◆自選十五句 朝日子に込みあげて鳴く初鴉 阿闍梨とは知らず俱にす初湯かな 花会式幼なじみの鬼の衆 蝶とまるものゝ一つに鬼の角 月が明るい終着駅は花の中 花の山花の途切れは蔵王堂 鮎を釣るむかし仙人落ちし川 顔面に蟬の尿うく逃げられし 若竹の一本にして輝けり 螢のこゑ持たざれば明滅す いなびかり追分となる行者径 大峯の嶺のうへなる天の川 月白や吉野の奥は神すまふ 寒雷や砂もて磨く杉丸太 鬼やらひ泣かれて鬼がなだめをり
- 著者
- 山口素基
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2025-04-02
- 価格
- 2,600円(税込・書誌情報提供:openBD)
- ISBN
- 9784781417264
発売済み
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